ゼロ金利モデルが崩壊で、死に体だった銀行が復活?それともゼロ金利時代に買い込んだハイイールド債が暴落して復活する前に破綻?
ハイイールド債の大量売却が今後くるかもしれない?
今後が気になりますね。
破綻しそうな銀行に共通する収益システムの特徴破綻の危機に直面している銀行(特に地域銀行や中小規模の銀行)の多くは、伝統的な収益構造に過度に依存しつつ、現代の低金利環境や市場変動に脆弱なビジネスモデルを採用している傾向があります。これらの収益システムは、主に預金と貸出のスプレッド(利ざや)を基盤とし、非伝統的な収入源(例: 投資や手数料ビジネス)へのシフトがリスクを増大させています。以下では、最近の事例(例: 2023年のシリコンバレー銀行(SVB)やシグネチャー・バンクの破綻、欧米の地域銀行の脆弱性)を基に、共通する収益システムの特徴を説明します。これらは、収益の安定性を欠き、外部ショック(金利上昇や預金流出)で急速に悪化しやすい点が共通しています。1. 伝統的な利ざや中心の収益モデル(Net Interest Margin: NIM依存)
- 概要: 銀行の主な収益源は、預金金利と貸出金利の差(利ざや)です。低金利時代ではこの差が縮小しやすく、収益が圧迫されます。破綻リスクの高い銀行は、このモデルに過度に依存し、多角化が不十分な場合が多いです。
- 共通の特徴とリスク:
- 低金利環境下で利ざやが薄くなり、収益力が低下。金利上昇時には、資産(貸出や債券)の価値が下落し、損失が発生。
- 例: SVBの場合、ベンチャー企業からの預金を低利で集め、それを長期国債や住宅ローン担保証券(MBS)に投資して利ざやを稼ぐモデルでした。しかし、2022-2023年の金利急上昇で債券価値が急落し、未実現損失が膨張。預金流出(取り付け騒ぎ)で流動性が枯渇し、破綻に至りました。
- 日本での類似例: 地銀(地方銀行)の多くが、低金利による利ざや縮小で収益悪化。2023年のランキングでは、純利益増加率が低い地銀(例: 九州・四国地域の銀行)が脆弱と指摘されています。 これらの銀行は、人口減少地域の貸出に依存し、代替収益源が少ない。
- なぜ破綻しやすいか: 利ざやモデルは安定しているはずですが、金利変動に敏感。FDICの分析では、破綻銀行の多くが資産損失の上昇と非コア資金(高コストの借入)依存を伴い、基本的な収益基盤が弱体化しています。
2. 投資・証券化中心の非伝統収益モデル(Fee-based or Trading Income依存)
- 概要: 伝統的な貸出を超え、投資銀行業務(証券投資、証券化、デリバティブ)や手数料ビジネス(保険販売、資産運用)を収益源とするモデル。収益性を高めるために採用されますが、リスクが高い。
- 共通の特徴とリスク:
- 非利息収入(投資収益や手数料)の割合が大きく、市場変動に晒される。危機時にはこれが逆効果となり、収益が急減。
- 例: 欧米の投資志向銀行(例: シグネチャー・バンク)は、暗号資産やテック関連の投資で手数料を稼ぎましたが、2023年の市場下落で損失拡大。研究では、投資銀行モデルは危機期にシステムリスクを高め、破綻確率を上昇させると指摘されています。 また、SVBのようにベンチャー融資と債券投資を組み合わせたモデルは、短期預金と長期資産のミスマッチ(Duration Mismatch)が致命傷となります。
- 日本での類似例: 1990年代のバブル崩壊時、多くの銀行が不動産融資や証券投資に依存し、貸出金利の上昇と資産価値下落で破綻。近年も、地銀の収益低下で「要らない銀行」ランキングに挙がる行は、投資収益の変動性が高い。
- なぜ破綻しやすいか: ScienceDirectの研究によると、機能的多角化(投資・手数料ビジネス)の高い銀行は短期的に収益を安定させるが、長期的にリスクが増大。危機時には、投資損失が収益全体を崩壊させます。
3. 非コア資金依存の資金調達モデル(Uninsured Deposits or Wholesale Funding)
- 概要: 安定した預金以外の資金源(卸売資金、未保険預金)を多用し、それを高リターン資産に振り向ける収益システム。短期資金を長期投資に充てるため、流動性リスクが高い。
- 共通の特徴とリスク:
- 預金の多くが保険対象外(例: 大口預金)で、信頼喪失時に急速な流出が発生。資金調達コストが高く、収益を圧迫。
- 例: 2023年の米中堅銀行破綻(SVB、First Republic)では、未保険預金の割合が40-90%と高く、預金流出が連鎖。NRIの分析では、これが米銀全体の脆弱性を示すとされています。 また、欧州の地域銀行も、卸売資金依存で金利上昇時にコスト増大。
- 日本での類似例: 地銀の多くが、人口減少で安定預金が減少し、非コア資金に頼る。2020年の「ヤバイ銀行」ランキングでは、こうしたモデルがクビ切りや再編の要因となっています。
- なぜ破綻しやすいか: FDICのレビューでは、破綻銀行の共通点として、非コア資金の増加と資産損失の悪化が挙げられます。金利上昇で資金コストが跳ね上がり、収益がマイナスに転じる。
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