- 辰巳(たつみ)天井
- 午(うま)尻下がり
- 未(ひつじ)辛抱
- 申酉(さるとり)騒ぐ
- 戌(いぬ)笑い
- 亥(い)固まる
- 子(ね)繁栄(繁盛)
- 丑(うし)躓き(つまずき)
- 寅(とら)千里を走る
- 卯(う)跳ねる
「辰巳天井」の逆、つまり株価が底値(安値)をつける部分は、このフレーズの反対側にあたる「戌亥底(いぬいそこ)」です。戌年と亥年に株価が底を打つという意味で、天井の逆のイメージです
1. 辰巳天井(たつみてんじょう)
- 意味: 辰年(龍)と巳年(蛇)に株価が天井(高値)を迎える。
- 解説: 龍が天に昇るイメージや、蛇が這うように上昇が続くことから、辰年と巳年に市場がピークに達するとされています。この時期はバブル的な上昇が起こりやすく、投資家は利益確定のタイミングを見極める必要があるとされます。歴史的には、1989年(巳年)の日経平均株価の高値(約38,915円)がこの格言を象徴する例として挙げられることがあります。
- 投資行動: 高値圏での売り時を意識し、過熱感に注意。
2. 午尻下がり(うましりがさり)
- 意味: 午年(馬)に株価が下落傾向になる。
- 解説: 馬が坂を下るように、株価がピークから下降し始める時期。辰巳の天井後の調整局面とされ、市場の勢いが弱まることを示します。景気や市場の過熱感が冷める時期と解釈されることが多いです。
- 投資行動: 下落リスクに備え、ポジションを軽くするなど慎重な姿勢が求められる。
3. 未辛抱(ひつじしんぼう)
- 意味: 未年(羊)に我慢が必要な時期。
- 解説: 羊のように穏やかで動きが少ないことから、市場が停滞し、方向感が乏しくなる時期を指します。株価は上下に振れにくく、投資家は我慢強く次の動きを待つ必要があるとされます。市場が「冬の時代」に突入するイメージ。
- 投資行動: 無理な売買を避け、様子見や長期投資の準備をする。
4. 申酉騒ぐ(さるとりさわぐ)
- 意味: 申年(猿)と酉年(鶴)に市場が騒がしくなる。
- 解説: 猿や鶴が騒がしいイメージから、市場が変動しやすく、値動きが激しくなる時期。ニュースやイベントによる短期的な価格変動が多く、投機的な動きが活発になるとされます。この時期はトレンドが読みづらく、短期トレーダーが活躍する場面。
- 投資行動: 短期的な売買チャンスを狙いつつ、リスク管理を徹底。
5. 戌笑い(いぬわらい)
- 意味: 戌年(犬)に市場が穏やかに回復する。
- 解説: 犬が穏やかに笑うようなイメージで、市場が底を打って緩やかに回復する時期。大きな上昇ではないものの、安定感が出てくることを示します。投資家にとって希望が見え始める時期とされる。
- 投資行動: 底値圏での買いチャンスを検討し、長期投資の準備を進める。
6. 亥固まる(いかたまる)
- 意味: 亥年(猪)に市場が底を固める。
- 解説: 猪が地面を固めるように、株価が底値圏で安定し、次の上昇に向けた基盤が形成される時期。市場は低迷から脱し、徐々に次のサイクルへ移行する準備が整うとされます。
- 投資行動: 底値での買い増しや、成長期待のある銘柄への投資を検討。
7. 子繁栄(ねはんえい/ねはんじょう)
- 意味: 子年(鼠)に市場が繁栄する。
- 解説: 鼠が繁殖力旺盛なイメージから、市場が活況に沸き、株価が上昇トレンドに入る時期。景気回復や新たな成長局面が始まることを示します。投資家にとって楽観的な時期。
- 投資行動: 上昇トレンドに乗るため、積極的に投資を検討。
8. 丑躓き(うしつまずき)
- 意味: 丑年(牛)に市場が一時的に躓く。
- 解説: 牛がゆっくり進む途中でつまずくように、市場の上昇が一時的に停滞または小幅な下落に見舞われる時期。子年の繁栄後の調整局面とされます。ただし、大きな下落ではなく、短期的なブレーキのイメージ。
- 投資行動: 一時的な下落に慌てず、長期的な視点を維持。
9. 寅千里を走る(とらせんりをはしる)
- 意味: 寅年(虎)に株価が大きく上昇する。
- 解説: 虎が千里を走るように、市場が力強く急上昇する時期。勢いのある相場で、大きな利益を得るチャンスがあるとされます。景気拡大や企業業績の好調さが後押しする局面。
- 投資行動: 上昇相場を積極的に活用し、成長株や割安株への投資を検討。
10. 卯跳ねる(うはねる)
- 意味: 卯年(兎)に株価が跳ね上がる。
- 解説: 兎が跳ねるように、株価が急騰する時期。ただし、跳ね上がった後は調整が入る可能性も示唆されるため、短期的な動きに注意が必要。市場の楽観ムードがピークに近づく時期ともいえる。
- 投資行動: 急騰に乗る一方、過熱感に注意し、利益確定のタイミングを見極める。
補足と注意点
- 歴史的背景: この格言は江戸時代から伝わるもので、米相場や経済のサイクルを基にした経験則です。現代の株式市場では、グローバル経済や金融政策の影響が大きく、必ずしもこの格言通りに動くとは限りません。
- 実用性: 格言はあくまで参考程度であり、実際の投資判断には経済指標、企業業績、市場環境の分析が不可欠です。歴史的には、例えば1989年(巳年)のバブルピークや2008年(子年)の金融危機後の回復期など、格言と一致する例もあれば、ずれる場合もあります。
- 文化的側面: 十二支のイメージ(動物の特性)を経済に当てはめたもので、日本独特の風情やユーモアが感じられます。投資家心理や市場のムードを捉えるのに役立つこともあります。

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