高市政権は利上げしないせいで米政権によって退陣まで追い込まれるかもしれませんね。
ベッセント「円安やばいぞ、為替介入限界だからガンガン利上げしろや」高市「一般会計予算(無駄遣い)20兆円増量で円安ホクホク」円のメルトダウンで米国がブチギレる理由
高市早苗政権の「責任ある積極財政」が、いよいよ市場と米国を本気でイラつかせ始めている。
2027年度予算の概算要求が一般会計で過去最大規模の140兆円超(報道では143兆円前後)に膨らんだ。前年度要求から約20兆円増だ。「補正予算と一体」で計上する方針に加え、「強く豊かな日本」投資枠なるものを新設し、シーリング(上限)を事実上撤廃した結果である。AI・半導体など戦略17分野に2040年度まで官民で370兆円超をぶち込むという成長戦略の「頭出し」らしい。
高市首相は「強い経済と財政の持続可能性の両立」を繰り返し強調し、新規国債発行を40兆円程度に抑えたいとも言う。だが市場は素直に信じない。長期金利(10年債)は約30年ぶりの高水準に達し、3%を超える局面も出ている。財政規律の「旗」を下ろし、「健全化」の文言を骨太の方針から消し、「一時的な悪化も許容し得る」とプライマリーバランス目標を緩め、成長頼みで債務残高対GDP比を下げると宣言した政権に、投資家が「本当に責任あるのか?」と疑うのは当然だ。
ここで米国が登場する。スコット・ベッセント米財務長官は、円安の過度な進行を繰り返し問題視してきた。日米協調介入を実施した上で、「介入だけでは不十分。政策とファンダメンタルズで裏付けろ」と暗に日銀の利上げを催促し、「disorderlyな円相場は米国金利上昇リスクを招く」とまで警告した。日本は米国債の最大級の保有国だ。円がメルトダウンすれば、キャリートレードの巻き戻しや日本国債売りが米債市場に波及し、米国自身の借入コストを押し上げかねない。介入には限界がある。だから「ガンガン利上げしろや」というメッセージになる。
一方の高市政権側はどうか。かつての「円安ホクホク」発言(輸出産業にチャンス、外為特会も潤う)が象徴するように、円安を過度に悪者扱いせず、成長投資で構造を強化すればいいというスタンスが透ける。予算を20兆円規模で積み増し、消費減税(食料品の時限的引き下げ)や防衛費増額、危機管理投資を進めながら、「市場の信認は確保できる」と主張する。だが現実は、金利上昇と円安が同時進行し、物価高に苦しむ家計にさらに負担を強いる構図だ。成長が想定通りに来なければ、債務の持続可能性は一気に危うくなる。
米国がブチギレる理由はシンプルだ。日本の財政拡張が「成長の果実」ではなく「市場の不信」を生み、円と日本国債の動揺を通じてグローバルな金融安定を脅かす可能性があるからである。ベッセントが介入にまで踏み込み、日銀の政策にまで口を出すのは、単なる友好の証しではない。自国の金利と市場を守るための現実的な対応だ。
高市政権の積極財政は、投資不足を是正しようとする意欲は理解できる。しかし「責任ある」を冠しても、シーリング撤廃と大規模投資枠で予算を青天井にし、成長シナリオに過度に依存するやり方は、結局のところ市場と同盟国に「無責任な拡大」と映りやすい。円安が加速し、金利がさらに跳ね、米国から「これ以上は我慢できない」と突きつけられたとき、誰がツケを払うのか。国民である。
「円安ホクホク」でいられるうちはいい。メルトダウンが現実味を帯びたとき、その楽観は一気に吹き飛ぶ。

