長年続くトヨタ潰しとも言える世界や日本政府のクソムーブ
特に認証不正問題で国の定めた基準よりも厳しい条件をクリアしたにも関わらず国交省から不正だと指摘されペナルティを課されたことに対してついにトヨタがブチ切れた
日本政府の度重なる横暴についに国外への本拠地移転(日本から多くの雇用と多くの納税がなくなる)を示唆
移転先はタイが濃厚
「2023年の自動車業界展望」というテーマなのだが、あんまりフラットな話をしてもつまらない。そこでもぎたてとれたてのホットな話を書いて、未来展望としたい。
実は筆者は、12月の13日から20日までタイに出張していた。全部トヨタの取材である。要素を抜き出せば、まずはタイトヨタの60周年式典、それと合わせて発表されたトヨタとCP(チャロン・ポカパン)グループとの提携である。
次いで、トヨタの利益の3分の1を叩き出しているIMV(Innovative International Multi-purpose Vehicle:国際分業生産システムで製造する多目的商用車)の追加車種および新型車の発表。さらにそのIMVを生産するチャチェンサオ県のバンポー工場の見学とサラブリ県のディーラー見学。翌日からはブリーラム県のチャーン・インターナショナル・サーキットで開催された25時間耐久レース、つまりはトヨタのカーボンニュートラルレース活動の取材である。
トヨタは既に日本を諦めつつある
で、この出張で何が分かったか。それが重要である。端的に言えば、トヨタは既に日本を諦めつつある。日本のマスコミと日本の政治家相手に、真面目にカーボンニュートラルを進めようとしても、どうせ理解されないし、ディスられてエネルギーロスし、消耗する。意味がないし労力がもったいない。だったら、トヨタの努力を本当に喜んでくれて一緒にカーボンニュートラルに取り組んでくれるタイと一緒にやる方が、双方に幸せなんじゃないだろうかという気持ちが、豊田章男社長の根底にある。
それでもこういう取材ツアーを組んで、自動車ジャーナリストや、新聞記者たちを引き連れて、タイで起きつつある現実を見せたのは、1つのメッセージでもある。「メディアにもし良心が残っていて、今回の動きをちゃんと伝え、それを政治が受け止めるのであれば、まだ引き返す余地はあるよ」。そういうまあいわば豊田章男氏の日本に対する未練であり、最終メッセージでもある。
その未練がなければ、わざわざわれわれ記者にこんな活動を見せる必要はない。これから先、現実が動いていくのはタイであり、その全てと隔絶された日本で広報する意味は何もない。日本人にはまったく知られる必要も意味もない。黙ってタイと未来を築けばそれでいい。
逆に言えば、そういう意図に気付きながら取材に連れて行かれた筆者の責任は極めて重い。自らの筆力でそれが伝えられるかどうかが問われている。というかもっと正確に言えば、豊田社長は「まあ無理だと思うけどね」と考えている気がする。
衝撃的な事実ではあるが、このままいけば、おそらくトヨタは日本を出て行く。それは筆者の妄想ではない。21年の春の時点で、既に筆者はトヨタの役員のひとりから直接そういう話を聞いている。日本政府が35年に本当に内燃機関の全面禁止を進めるのであれば、トヨタは日本を出て行かなくては生き残れない。
トヨタがいなくなった後で、オールBEV化でもオール太陽光でも、できるのならば好きにやってくれと。そんなギャンブルに全世界36万人のトヨタ社員の命運は賭けられないので、トヨタは出て行くしかない。その準備には10年は必要だ。とすれば25年には判断を下さなければ間に合わない。
中国でものづくりに、明らかに見合わない巨大なカントリーリスクが明確化した今、世界のものづくり産業は、ASEANへの拠点移動を粛々と進め始めており、ASEAN経済のバブル化を引き起こし始めているのだ。
少し前まで、中国生産に保険をかけるという意味で「チャイナ・プラスワン」といわれて、ベトナムやミャンマー、タイやインドネシアへの製造拠点確保が進められてきたわけだが、もはやそれは保険という地位を脱して、ポスト中国の着地点と見られ始めている。トヨタはどうやらそれをタイに期待している。
もっとも強かなトヨタのことである。100%子会社のダイハツは既にマレーシアとインドネシアに橋頭堡(きょうとうほ)を築き終わっている。ASEAN戦略でリーダーシップを取る可能性がある拠点はほぼ押さえていると言ってもいい。
引用元:https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2301/01/news013_3.html