ブラックロックを米・司法省が調査?赤字だらけのプライベートクレジットファンド市場が真っ黒焦げになる前にテコ入れか?

2026年5月15-16日頃、Bloombergなど複数のメディアが一斉に報じたニュースが金融市場をざわつかせています。米司法省(DOJ、マンハッタン連邦検察)が、ブラックロック(BlackRock)のプライベートクレジットファンドの資産評価手法を調査しているというものです。

対象はBlackRock TCP Capital Corp.(ティッカー:TCPC)という上場事業開発会社(BDC)。プライベートクレジット(非上場企業向け直接融資)市場の巨大プレイヤーです。調査では幹部らに対する事情聴取も行われており、BlackRock側はコメントを拒否しています。

何が起きたのか?TCPCの衝撃的なNAV急落

2026年1月、TCPCは異例の臨時開示を行い、純資産価値(NAV)を約19%引き下げると発表しました。具体的には:

  • Q3末:約8.71ドル/株
  • Q4末:約7.05-7.09ドル/株

これにより株価は1日で13%急落(2020年3月以来の最大級の下げ)。投資家からは「ローン資産の過大評価」「虚偽説明」として集団訴訟が提起されました。その後もNAVはさらに低下(3月末時点で約6.72ドル)し、トラブルローンへの対応が続いています。

司法省の調査は、まさにこの評価手法の妥当性に焦点を当てているようです。プライベート資産は市場価格がないため、管理会社が独自に価値を算出します。手数料収入を最大化するため「楽観的に」評価するインセンティブが常につきまとう構造です。Jay Clayton元SEC委員長らも、こうした「creative marks」(創造的な評価)を厳しく警告していました。

プライベートクレジット市場全体の「赤字リスク」

この一件はブラックロック単独の問題ではありません。プライベートクレジット市場は1.8兆〜3兆ドル規模に膨張し、伝統的な銀行融資の代替として急成長しました。しかし:

  • 利上げ後の金利環境で借り手(中堅企業)のデフォルトが増加。
  • 評価の不透明さ(四半期報告が主流でリアルタイム性に欠ける)。
  • 流動性の低さとレバレッジ依存。

これらが積み重なり、「評価のブラックホール」と指摘される状況です。KKR、Apollo、BlackRock(HPS買収後)などが問題ファンドの修復に動いているとの報道もあり、業界全体で「隠れた損失」が表面化しつつあります。

SECも複数の大手プライベートクレジット運用会社に対し、評価・ローン選定などの調査を進めています。司法省の動きは、そうした規制当局の懸念が刑事・民事レベルにエスカレートした象徴と言えるでしょう。

関連するX(旧Twitter)のポスト紹介

このニュースはX上で急速に拡散され、特に投資家や日本ユーザーからも注目を集めています。いくつか代表的なものを紹介します(最新情報に基づく):

  • Disclose.tvの速報(広く引用):
    「JUST IN – BlackRock private credit fund’s valuations under investigation by the U.S. DOJ, part of the investigation has involved bringing in executives for questioning.」
    これを引用した日本語ポストが多数あり、「ブラックロックのプライベート・クレジット・ファンドの評価額が米司法省の調査対象」「幹部事情聴取」と拡散。
  • @tesla_machan(日本語詳細分析):
    TCPCのNAV急落の数字(8.71ドル→7.07ドル)を具体的に挙げ、集団訴訟や調査の経緯を解説。「調査は起訴なしで終了する場合もある」と冷静に指摘。
  • その他:Vivek Ramaswamy関連アカウントやトレーダーアカウントでも「Private credit just got its ‘we see you’ moment from the DOJ」との声。市場への影響を警戒する投稿が目立ちます。

これは「テコ入れ」か、それとも「火消し」か?

タイトル通り、赤字だらけの市場が真っ黒焦げになる前に当局が動いた可能性は高いです。プライベートクレジットは年金基金・保険会社・個人投資家まで広く浸透しており、崩壊すれば2008年リーマン級の連鎖反応を招きかねません。一方で、調査が「業界全体の透明性向上」を促すきっかけになる期待もあります(Apolloが日次評価導入を発表するなど動きあり)。

ブラックロックのような巨人は「too big to fail」の側面もありますが、投資家保護の観点から厳正な調査が望まれます。市場参加者は今後、NAVの急変動透明性向上の動き規制当局の発言に敏感になるべきでしょう。

この問題はまだ進行中。追加情報が出次第、市場はさらに揺れる可能性があります。プライベートクレジット投資家はポートフォリオの見直しを、株式投資家はブラックロック($BLK)株や関連BDCの動向を注視してください。

(本ブログは公開情報に基づく分析です。投資判断は自己責任でお願いします。)

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