赤字垂れ流しまくりのザ・天下り組織「クールジャパン機構」
「改善計画では23年度の累積損失が298億円にまで拡大するが、ここを底に反転し、機構存続の最終年度にあたる33年度には148億円の累積黒字を確保する見通しになっています。しかし、はたしてそううまくいくのか疑問視する声が絶えません」(先の金融関係者)という。
というのも、投資の失敗に加えてクールジャパン機構には法外な運営費が費やされているためだ。先の金融関係者によると、「9月28日に内閣府が公表したリポートにも盛り込まれているのですが、20年3月期のクールジャパン機構の職員1人当たりの人件費は1325万円で、1人当たりの家賃は292万円なのです。六本木ヒルズ森タワーに入居しているためです。231億円の累積損失のうち投資による毀損分は約90億円にすぎず、残りは運営費で占められています」というのだ。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/298261/2
運営費がくっそ高いと指摘されている
そもそもなんで六本木ヒルズで投資先を探すのか?
別に日本全国どこでやっても同じような事業。
PCの前で投資先探して、財務諸表チェックして、事業内容を取りまとめて会議して投資するだけの簡単な事業なのになんで都心の一等地に居を構える必要があるのか?
投資先との会合?ZOOMやらチャットワーク。FACE TIMEで良くない?
いったいわざわざ高額の家賃を払ってまで、都内の超一等地にオフィスをもつ必要がどこまであるのだろうか。また事業の成果と必ずしも連動しているように思えない高額の給与も妥当だろうか。
従来、官民ファンドは、官僚の天下りや、また非効率的な事業を展開して税金を浪費しかねない、と批判されてきた。そもそも海外観光客のインバウンド消費が、コロナ禍前に急増していたのは、クールジャパン戦略が効果をあげていたからではない。金融緩和の継続で、円安が続き、要するに海外から相対的に安い旅費ですごせる国として定着したからであろう。クールジャパン戦略も機構もほとんど価値をもっていないのは、自明だ。
このクールジャパン機構のムダな出費をみていて思い出すことがある。実は私は、大学を出て、いったん出版社で編集者を何年かしていた。その後に大学院に戻り、そこから大学教員になった。その出版社勤務の時代、1980年代後半に、都心に近いオフィスビルに原稿をもらいにいったことがある。ある特殊法人(税金で維持された政府関連機関)のトップに原稿を書いてもらったのだ。そのビルにいって驚いたのは、最新のオフィスをワンフロアぶち抜きで使っていて、入り口に女性秘書がひとり待機していて、あとは室内の奥まで赤いカーペットが敷き詰められていた。その遠いどんづまりに高価な応接セットとどでかい机に座ったその元官僚の温厚そうな老人がいただけだった。クールジャパンもこれに似た、官僚たちの国民の資産をむさぼる行為だろう。
だが、ここでも官僚たちは国民のムダを増殖させている。財務省の緊縮政策は厳しく、いまの岸田政権はこの財務省の手の中で動いているようにしか思えない。日本の生活向上には、政府が率先して、大胆に財政政策。金融政策を稼働させることが重要だ。そのための具体的な政策は、この連載でも何度も指摘してきたところである。官僚に責任を押し付けているのではない。実際にはそのような危機の中で緊縮財政をもとめる財務省のような組織を延命させている、政治の問題である。この参院選の最中でそのことを強く思う次第である。
https://www.iza.ne.jp/article/20220628-ZKEOO7R5NNHIJLJUIUEY7KWIPE/2/