アニメ人気に乗っかって作られたクールジャパン機構
◎クールジャパンとは、世界から「クール(かっこいい)」と捉えられる(その可能性のあるものを含む)日本の「魅力」。
◎「食」、「アニメ」、「ポップカルチャー」などに限らず、世界の関心の変化を反映して無限に拡大していく可能性を秘め、様々な分野が対象となり得る。
◎世界の「共感」を得ることを通じ、日本のブランド力を高めるとともに、日本への愛情を有する外国人(日本ファン)を増やすことで、日本のソフトパワーを強化する。
https://www.cao.go.jp/cool_japan/about/about.html
何よりネーミングがダサすぎるクールジャパン機構だが赤字が300億円とやばい数字になってきている
文化に対する国家統制として、明らかな失敗をしているものがあります。「クールジャパン」です。
平成19年(2007)、第一次安倍内閣は「感性価値創造イニシアティブ」を策定し、産業における日本特有の価値観を「作り手の感性やこだわりに由来し、生活者の感性に訴えかけるもの」と位置付けて、日本ブランドの価値を高めようという政策を始めます。
これを背景に、平成22年(2010)、民主党政権が経済産業省に「クールジャパン海外戦略室」を設置、これを拡大する形で本格的に始動したのは平成24四年(2012)のことです。内閣府の知的財産戦略推進事務局には、クールジャパン戦略の要点が次のように掲げられています。
◎クールジャパンとは、世界から「クール(かっこいい)」と捉えられる(その可能性のあるものを含む)日本の「魅力」。
◎「食」、「アニメ」、「ポップカルチャー」などに限らず、世界の関心の変化を反映して無限に拡大していく可能性を秘め、様々な分野が対象となり得る。
◎世界の「共感」を得ることを通じ、日本のブランド力を高めるとともに、日本への愛情を有する外国人(日本ファン)を増やすことで、日本のソフトパワーを強化する。
内閣府 知的財産戦略推進事務局 クールジャパン戦略(令和元年9月)
https://www.cao.go.jp/cool_japan/about/about.html簡単にいうと、クールジャパンは「外国人がクールととらえる日本の魅力」であり、クールジャパン戦略は「クールジャパンの発信、海外展開、インバウンド振興によって世界の成長を取り込み、日本の経済成長を実現する」ものです。
https://gentosha-go.com/articles/-/40789
少し考えればすぐに分かることですが、この取組みは実際には役所の人がやって来て「我が国の文化は、これが面白いのです」と伝えれば、それを面白いと思わねばならない、という話です。
政府が「これが我が国の素晴らしい文化だ」と認定して展開すれば、これまで知らなかった人に知ってもらうことはできるかも知れません。しかし、それは人々の中から自発的に出てきた文化が世界に向けて広がることとは別の話です。
政府が音頭をとって事業を展開したクールジャパンがどのような経過をたどっているのか、政治・外交ジャーナリストの原野城治氏が次のように問題点を指摘しています。
<日本の文化を海外に紹介し、マンガ・アニメ、食、ファッションなどの輸出を支援すると官民ファンドの産業革新機構が投資した事業が成果ゼロのまま次々に打ち切られ、その株式が民間企業に極めて廉価で売却されている。
中には20億円以上の「全損」案件もあり、税金の無駄遣いがはなはだしい。特に、2013年11月に鳴り物入りで設立された「海外需要開拓支援機構」(クールジャパン機構、東京都港区)のいくつもの投資事業案件が苦戦続きとなっている。(中略)
ブランド戦略である「クールジャパン」の戦略的コンセプトはイメージ先行で、コアが判然としない>
漫画やアニメは、はっきりいえば今まで青少年の健全育成の問題などで、政府は問題視していたぐらいのものです。子供の頃に「漫画やアニメなんか見るな」と言われて育った人も多いでしょう。
ところが、どうもお金になるらしいと目を付けて、政府が海外展開するための予算を付けたら、大失敗したという話です。
投資主体となった産業革新機構は、平成21年(2009)に設立された投資ファンドです。政府出資が9割、残りは民間(企業26社・2個人)が少し出資しています。政府保証で借り入れが可能なので、最大で2兆円を超える投資能力があるとされています。
そこに色々な人たちが群がってみんなでお金を使うという、最悪の仕組みです。今回は漫画やアニメなどのポップカルチャーが食い物にされたというのが、クールジャパンの顛末です。
海外にこうしたコンテンツを持っていくとき、大抵は展示会ビジネスのような形をとります。当たり前の話ですが、漫画やアニメを見るときは、展示会で見るというよりも作品そのものを見ます。
それだけでもクールジャパンは無意味の代名詞のようになっていますし、逆に政府が「これが日本の漫画です」と認定するような話になってしまうと、そこに入る作品と入らない作品の基準や線引きが起こってきます。大勢の読者・視聴者が良いと思っても、政府に認定されていないものというレッテルが貼られる、それほど面白くはないけれども政府認定を受け予算が付く、こうした線引きは産業自体を腐らせる力となってしまいます。
これが民間なら、読まれない・見られないものなら市場から撤退します。失敗したらやめて、新しいものを作ります。色々な形で事業失敗の責任を取らされることもあるでしょう。政府のやっている事業は、市場なら失敗しているようなものにも予算が付き続けて責任を取る人がいなくなることが問題なのです。こういうことを続けていると新しいものも生まれないので、文化が潰れてしまいます。
https://gentosha-go.com/articles/-/40789?page=2&per_page=1
政府が主導して天下り先作っているような産業は必ず失敗するので投資家の皆さんは安易に乗らないようにしようというのが鉄則ですね。
別に経営とかその道のプロでもないようななんとか省の人たちが考えた成長戦略なんてこのレベルなんでしょうね。だって素人なんだものw
そもそもそれを立ち上げたのが天下り先を作る目的なんだから当然ですけど、そう言えば2007年といえば福田康夫の時か…
あいつほんとに碌なことしないな、官僚の傀儡だったからか?
タイプとしては岸田さんとそっくりですね。
しかし損失がエグすぎる。
基本的にベンチャーキャピタルの真似事してる感じの気候なんですけど、根本的に投資に失敗し続けてるんで、赤字は膨らむ一方ですね。
むしろ成功しているベンチャーキャピタルに投資した方がうまくいくのでは?ジャフコとか村上ファンドとか色々あるだろうに。
天下り先で税金使って投資の真似事してるとしか思えないんで普通に潰してほしいですね。