「見てください。酷いと思いませんか。白い塗装部分が黒っぽくなっているのはカビですよ。柱の塗装も剥がれかけて破片が落ちている。これはもう管理以前の問題。なぜこんなことになったのか……」
国宝である日光東照宮の陽明門を指差しながら、そう嘆くのは日光市議の三好國章氏である。陽明門は「平成の大修理」と呼ばれた大規模な修復工事を3年前に終えたばかり。およそ12億円の費用が投じられ、約4年の歳月を要した。
だが、本誌記者が陽明門を見上げてみると、たしかにあちこちが剥がれており、とくに唐獅子の彫刻(2枚目写真)は見るも無惨な姿だった。一級建築士で建築エコノミストの森山高至氏が指摘する。
「伝統的な塗料は扱いが難しい。6年かかる予定の修理が4年で終わったことが関係しているのかもしれません。急いだ結果として剥がれてしまった。カビについては湿気対策の不足が考えられます」
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なぜこの仕事をデービット・アトキンソンの会社が受注できたのか?
小西美術工藝社が日光東照宮の修復を受注できた理由には、いくつかの要因が考えられます:
- 歴史と経験:小西美術工藝社は、江戸時代から続く歴史を持ち、日光東照宮の修復には長い歴史があり、特に寛永の大造替(1636年)から関わってきたことが背景にあります。この長い伝統と経験が信頼を生んでいます。
- 技術力と人材:同社は日本最大の文化財修理業者であり、漆塗り、彩色、錺金具などの装飾部門で優れた技能者を抱えています。これらの技術が文化財の修復に不可欠であり、その専門性が評価されました。
- デービッド・アトキンソンの影響力:小西美術工藝社の社長であるデービッド・アトキンソン氏は、金融アナリストとしての経験と、文化財保護への積極的な姿勢から、政府や公的機関とのネットワークを持っています。彼の存在が受注の背景にある可能性があります。ただし、この点については直接的な証拠はありませんが、関連する投稿や記事から推測可能です。
- 政府や自治体との関係:修復プロジェクトはしばしば公的資金で行われ、小西美術工藝社がこれまでに築いた政府や地方自治体との関係が大きな役割を果たしている可能性があります。また、日光東照宮の修復は「平成の大修理」の一環であり、公益財団法人日光社寺文化財保存会が設計監理を担当する中で、同社が施工範囲を請け負ったことも示唆されています。
これらの要因が組み合わさって、小西美術工藝社が日光東照宮の修復を受注できたと考えられます。ただし、これらの情報は部分的なものであり、受注の全容を明確に示すものではありません。