12月5日午後、不同意性交等罪に問われた日本維新の会の元衆院議員・椎木保被告(58)の初公判が東京地裁で行われた。椎木被告が女子中学生に性的暴行を加えたとして不同意性交等罪の疑いで逮捕されたのは、約3カ月前の今年9月8日のことだ。
椎木被告は東海大学卒業後、山一證券に入社。退職後、茨城県公立小中学校などの教員として長年勤めた。長年の教育者としての実績が評価され、2012年11月、日本維新の会の衆議院選挙公認候補予定者に決定。翌月の衆院選で千葉13区から立候補し、比例復活で初当選。衆院議員を2期務めたものの、2021年の衆院選で落選している。
「現在は、千葉県浦安市内で単身暮らし、会社員として働いていたといいます」(司法記者)
検察官は、終始落ち着かない様子の椎木被告を一瞥し、起訴状を朗読する。
「被告人は、A(当時12歳)について13歳未満であることを知りながら8月20日午後6時33分頃から6時58分頃までの間に、カラオケ『まねきねこ新宿歌舞伎町中央店』25号室において、同人に対し、その唇にキスをし、その胸を触るなどし、同人と性交等をしたものである」
裁判官から「読まれた起訴状に間違った部分はありますか」と問われると、椎木被告は力ない声で答えた。
「いえ、間違いはございません」
取り調べでは「カラオケに一緒に行っただけ」と容疑を否認したが、初公判では一転し、起訴事実を認めたのだ。
8月20日夕刻、未成年の家出少女らが集い、社会問題化している歌舞伎町の通称「トー横」周辺に現れた椎木被告は、路上に座り込んでいたAさんに声をかける。ゲームセンターや飲食店に連れ出し、その道中で年齢を確認。12歳であることを告げられた上で「金銭による性交」を持ちかけたという。その後、椎木被告は「ドン・キホーテ新宿歌舞伎町店」に移動。「大人のおもちゃ」売り場に陳列されたローションを自ら手に取って購入し、午後6時21分頃、カラオケ店に入店した。
「こちらの紙にお名前、電話番号を記載してください」
店員にそう求められると、椎木被告は「岩田かつみ」と記し、自身の携帯電話の番号を記載した。実は、この店員は椎木被告が同店を以前も利用したことがあることを記憶していた。そのため、名前が以前申告したものと違っていることに気付いたという。男の隣には、まるで娘には見えない幼気な少女がいる。異様な空気を感じた店員は、頻繁に店員と客が往来する25号室に案内することにしたという。
その後、店員の予想は的中し、鬼畜の仕業を目撃することになる。入口扉のガラス部分から見えるのは、ソファで横たわる裸のAさん。椎木被告は、彼女に跨るようにして性行為を行っていた。店員は、すぐに同店の店長にその状況を報告した。
検察官による冒頭陳述は次のように続く。
「同店店長は同室入口扉から、Aさんと被告人がソファで上半身裸の状態で抱き合ってキスをしている状況を目撃しました。店長は店員からAさんの年齢が明らかではなく不定で『中学生くらい』という報告を受けたことから、成人が未成年者と性交していると判断し、同日午後6時50分頃、110番通報を行いました」
警察官が現場に駆けつけたのは、同日午後6時58分頃のこと。椎木被告はAさんと性行為に及んだ事実を聞かれると、こう嘯いたという。
「椎木被告は、警察官から任意同行と、DNA型鑑定のための口腔内検査の任意提出を求められると、それを拒絶。自身の名刺を置いて、その場を立ち去ったといいます」
その後の捜査により、Aさんの左胸と肩の部分から彼女と椎木被告のDNAが検出されている。一方、Aさんは警察官に対し、こう素直に語ったという。
「あの人から声をかけられて、エッチしました」
彼女は、椎木被告から渡された1万円札を所持していた。
初公判では、犯行後の椎木被告の言動も詳らかにされた。
「甲20の解析報告書には、椎木被告から差し押さえた携帯電話を解析した結果が記されていました。事件後、彼は携帯電話を使って『法律事務所の弁護士のユーチューブ』『歌舞伎町交番』『公然わいせつ罪』という文字を検索していました」(前出・司法記者)
2023年7月の法改正により、性交同意年齢が16歳未満に引き上げられた。仮に、被害者とされる女性と性行為があった場合、その場で合意があったとしても16歳未満であれば不同意性交等罪や不同意わいせつ罪が成立し、処罰される。椎木被告は「児童と生徒の違い」などの検索ワードを打ち込んでいた。
椎木保氏の経歴
目次経歴
東京都江戸川区に生まれる。茨城県立鹿島灘高等学校卒業[2]。東海大学教養学部卒業後、山一證券入社。その後退職し、茨城県公立小・中学校および高等学校、私立高等学校の教員となる。
私立鹿島学園高等学校、茨城県立鹿島灘高等学校では、自身の野球経験を生かし硬式野球部の監督・コーチとして生徒の指導にあたる。
1994年より鹿嶋市教育委員会、鹿嶋市役所[注 2]に勤務。
2012年11月、日本維新の会の衆議院選挙公認候補予定者に決定。同年12月の第46回衆議院議員総選挙で千葉13区から立候補。小選挙区では敗れたが、比例南関東ブロックで復活し初当選[3]。その後日本維新の会は分裂し、橋下徹大阪市長と結いの党の江田憲司率いる維新の党に参加した。
第47回衆議院議員総選挙で大阪2区への国替えを命じられた。開票の結果、自由民主党の左藤章に敗れ、比例復活もならず落選[4]。
2015年10月9日、吉村洋文が大阪市長選立候補のため衆議院議員を辞職したことにより繰り上げ当選。しかしこの当時維新の党は再び分裂騒動の最中にあったため、橋下が新たに結成予定の「おおさか維新の会」(現在の日本維新の会)に参加しない旨の誓約書を党執行部に提出した[5]。しかし、同年10月31日に開催されたおおさか維新の会の結党大会に参加、誓約書を反故にして同党に合流することを発表した[6]。椎木は維新の党に離党届を提出したが、維新の党執行部は離党届を受理せず除籍処分とするとともに、国会議員辞職を勧告した[7](なお誓約書、議員辞職勧告共に法的拘束力は無く、椎木も議員辞職はしていない)。
2017年、第48回衆議院議員総選挙で日本維新の会公認で大阪2区から立候補。開票の結果、再び自由民主党の左藤章に敗れ、比例復活もならず落選。
2019年2月の党大会において千葉5区支部長に就任したことが発表され[8]、再度活動の拠点を千葉県に戻した。
2021年10月31日、第49回衆議院議員総選挙では3位に終わり、比例復活もならず落選。
2024年9月9日、8月20日に東京都新宿区歌舞伎町のカラオケ店で中学1年の女子生徒に性的暴行を加えたとして、不同意性交容疑で逮捕された[9][10][11]。2023年の法改正で性交同意年齢が16歳に引き上げられており、仮に被害者とされる女子生徒と性行為があった場合、その場で合意があったとしても不同意性交等罪や不同意わいせつ罪での処罰対象になる[12]。同月27日、不同意性交罪で起訴された[13]。
教員として働いてたときに性的暴行働いてないか気になるところではありますね。