計算方法は雑誌プレジデントで紹介された高橋洋一さんの記事から計算方法を引っ張ってきました
ちなみに計算方法は財務省のB/Sと日銀のB/Sから算出できます。
ちなみにB/Sとはバランスシートの略。簿記で使います。決算書の一部ですね。
日本政府の負債状況の計算式
(日本政府の資産+日銀の国債発行額)−(日本政府の公債+政府短期証券+借入金)=日本政府の資産or負債
ちなみにこの式に当てはめて令和元年の負債額を計算すると
(日本政府の資産681.3兆円+日銀の国債発行額485.9兆円)−(日本政府の公債998.8兆円+政府短期証券77.4兆円+借入金35.6兆円)=日本政府の資産or負債(1167.2兆円ー1111.8兆円=55.4兆円)
つまり資産が55.4兆円となってます。黒字やないかい!!
計算式のロジックはプレジデントの記事からの引用を読んでいただければわかると思います↓
BSには細かい数字が並んでいるが、際立った数字だけを読んでいき、その意味がわかればよい。
財務書類を読みこなすには、数字を正しい単位で声に出して読むのがコツである。
BSやPLに書かれている数字は億単位、兆単位であり、キリのいい位以下が切り捨てられて書かれていない。
(単位:百万円)とあれば、数字の最後の位が「○百万円」となる。「123、456」とあれば「1234億5600万円」のことである。「この項目の数字が大きいな」というだけではだめで、「この項目の数字が大きい、約1235億もある」と言えて初めて数字が読めたことになる。これに慣れるには、数字を正しい単位で声に出して言うのがいちばんだ。
平成29年度の政府のBSにおいて、負債の部で際立った数字は「公債」である。966兆8986億2800万円。これが悪名高い「借金1000兆円」の正体だ。
ひとつ上に「政府短期証券76兆9877億9300万円」がある。これと合わせることで堂々と「借金1000兆円」と騒いでいるのである。借金ということで言えば、さらに「借入金31兆4434億4900万円」を足したものが日本政府の借金である。
https://president.jp/articles/-/29932?page=2
日銀の「負債」で最も大きいのは「当座預金/376兆8004億9798万円」、次に大きいのが「発行銀行券/106兆5571億5865万3000円」だ。
当座預金とは「民間金融機関の日銀当座預金」、銀行発行券とは「発行された日本銀行券つまり紙幣」のことである。両方とも、言うまでもないが「お金」のことだ。
「お金がなぜ日銀の負債になるのか」といえば、「お金」は、会計的に言えば「日銀が発行する債務証券」だからである。会計の用語はこのように、普通の人々が日常生活の中で使っている言葉のイメージを超えている。だから、学習が必要なのだ。
日銀は、民間金融機関が保有している国債を買い、その代金を民間金融機関の当座預金に振り込むか、日銀券つまり紙幣を発行して渡す。その価値を保証するのは発行元であるところの日銀である。
つまり、「お金」は日銀が発行する「証文」である。したがって「発行銀行券=日銀券=紙幣」も「当座預金」も日銀の「負債」となる。
このように、BSが読めると日銀がどんな仕組みの金融機関であるかということも理解できるようになる。凡百の評論家の解説を読むよりも明解にわかるはずである。
https://president.jp/articles/-/29932?page=3
金融機関には「準備預金制度」といって「受け入れている預金等の一定比率以上の金額を日本銀行に預け入れること」が義務づけられている。金融機関は必ずいくらかの金額を日銀に預けておかなければならない、ということだ。
補完当座預金制度によって日銀は、一定比率以上の金額つまり法定準備預金額を上回って預けている金額=超過準備金に対して利子をつけることにした。いわば、日銀の金融機関への「お小遣い」のようなものである。企業を経営している人なら、企業の金融機関への当座預金は無利子であることを知っているだろう。企融機関の日銀への当座預金は利子が付いているわけで、この意味で金融機関の「お小遣い」なのだ。
ただし、日銀は2016年、「マイナス金利政策」を実施して話題になった。
これはつまり以前の補完当座預金制度とは逆で、「これからは超過準備金に対しては利子を取りますよ」ということである。2008年以来、利子がもらえていたのに取られることへ逆転したので民間金融機関は大騒ぎをしたが、ここは正確な理解が必要だ。日銀当座預金は400兆円程度ある。しかし、マイナス金利が適用になるのはほんの一部である。ほとんどの部分にプラスの金利が付与されており、金融機関が日銀からお小遣いをもらっている状況に変わりはない。
ともあれ、「当座預金」は「銀行発行券」といつでも代替でき、「銀行発行券」は日銀にとって負債ではあっても無利子・無償還で実質的な借金ではないと言うことができる。つまり、返す必要のないお金だ。
したがって日銀のBSにおいて、「負債」は実質ほとんどゼロとして読むことができる。つまり日銀の「資産」は、国債分の約474兆円と読むことができるのである。
https://president.jp/articles/-/29932?page=4
これを政府のBSに連結してみよう。日銀の資産474兆円が、ほぼそのまま政府の「資産」に加わることになる。政府の「資産・負債差額」はマイナス568兆円からマイナス94兆円まで下がる。
すでに述べたが、政府のBSは負債がちょっと多いくらいでも問題はない。一般に公開されており、かつまたネットで簡単に入手できるBSを読みさえすれば、日本政府の財務状況は問題のない健全なレベルにあることがすぐにわかる。
逆に言えば、国の借金1000兆円などといって騒いでいる人は、それすらしていない残念な人、または知識の薄い国民を騙そうとしている人ということになる。
政府と中央銀行のBSを連結したものは「統合BS」と呼ばれている。統合BSで政府の財務状況を見るのは世界の常識だ。
https://president.jp/articles/-/29932?page=4